昔は、たくさんお金をかけて、立派なお葬式をすることが故人への供養になると考えていましたし、何より周囲への見栄としても重要なことでした。
大きな祭壇、大勢の会葬者…それを行ってこそ「良い式だったね」というかつての傾向は、近年、大きく変わってきているようなのです。
東京都生活文化局の調べ(平成13年度)では、自分の葬儀をどのようにしたいかという問いに対して、約6割が「親しい人とこじんまりと」と回答しています。「お金をかけてでも立派にしてほしい」という人はわずか0.3%という結果でした。データが少し前のものなので、今ではもっと変わっているかもしれませんね。
なぜ、葬儀観が変化しているのかというと、それは核家族化の影響が大きいようです。地域とのつながりも薄くなっているので、身内のみで小規模な形式で行うほうにニーズが高まってきたのでしょう。
また、莫大な費用のかかる伝統的な葬儀に対する疑問の高まりも理由の1つになっているようです。確かに、日本では仏式で行われることがほとんどですが、特に若い世代は日常的に仏教との関わりがない場合が多いですよね。
それなのに、読経をしてもらったり戒名をつけてもらったりすることに違和感を覚えてしまう…。また、ゆっくりお別れする間もなく、火葬されている気がしてしまうという不満があるようです。
都会では特に、地域をあげて葬儀を行うということが、今はほとんどありません。地方と比べてスペースも限られていますから、自宅で行うというのも難しい現状があります。
よって、家族が主体となって通夜・告別式を行う「家族葬」を業者に依頼する人が増えています。家族葬といってもいろいろで、費用も安く、内容もごくシンプルにというケースから、伝統的な形も守りながら、お金をかけて棺の周りの生花なども豪華にし、料理やお酒を用意して華やかに見送るというケースまでさまざま。
あくまでも主人公は故人と家族で、これまでの慣習や、地域や親戚の考えに縛られずに行えるように、葬儀の幅が広がってきているといったら良いでしょうか。そんな流れから、業者もその要望になるべく対応してくれるようになってきています。
伝統的な形でも、新しい形でも、「後悔しないお別れにしたい」という希望を叶えられる時代になってきました。家族がどのような形を望んでいるのか、そしてその場合はどんな業者が良いのか、じっくりと考えてみたいですね。